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2019-02-16

BOOKSHOPTRAVELLERの棚を間借りするの巻

 現在は、古書店準備中ということで、現在は一箱古本市に出店。
 といっても、茨城県北部から近くではやっているところがあまりなく、隣の福島県「いわきまちなか一箱古本市」に3回ほど出店した。
 先月、1月にも開催されたので、参加したばかりである。
 しかしながら、思うように本というのは売れず、私のセレクトも悪いのだろうが、今後どのようにリアルな職業としての古書店をはじめたらよいか悩んでいるところでもある。
 ただ、私の場合、古書店は半分趣味の延長でもあり、これだけで生計を立てようとは思っていない。
 古書店計画は、茨城県北部に移住した私にとって、ある種の実験のようなものだ。

 現在、私はある農業特産物の生産者の支援をしている。
 ある農業特産物とは、「花貫フルーツほおずき」という食用ほおずきである。
 ほおずきといえば、鑑賞の方が有名だが、食用のものも存在する。
 甘さと酸っぱさとわずかな苦味があり、一度食べたらやみつきになる人もいるほどだ。
 また、その造形も独特で、しかも栄養価も高いためにスーパーフードとも言われることもある。
 これについては、別の記事で詳しく書くとして、今回は古書店開業にむけての話にしぼりたい。

 私が茨城県高萩市に移住したのが、2016年8月。
 この「食用ほおずき」の生産の傍ら、他に地域活性化のためにできることはないかと試行錯誤あったあげくに行きつたのが、「移動式古書店」というわけだ。
 「移動式」というのは、単にリアル店舗を開業するほどの資金がないということに他ならない。

 ゆくゆくは、リアル店舗を開業したいと思っている。
 希望としては、茨城県の県庁所在地である水戸市が一番いいと考えている。
 水戸市には「水戸芸術館」という音楽、演劇、美術をテーマにした施設がある。
 私にとっては、主に美術の企画展は毎回楽しみにしているイベントである。
 客観的に見て、企画展の内容は、日本の美術館の中でも現代美術寄りのハイレベルな展示が多いように思う。
 客層として、ここに来る人をターゲットにした古書店ができないものかと考えている。
 おそらくは、ここにやってくる人は茨城県内の人だけでなく、首都圏からも多くの人が来ると思われる。。
 その人たちは、芸術に敏感なだけでなく、ライフスタイルにも新しい何かを求めているに違いない。
 一部は「移住」というのも選択肢のひとつとして持っているはずだ。
(私もそのひとりであったのだ)
 そのように、新しいなにかを渇望している人にむけての本を販売したい。
 「はじまりのきっかけ」を作りたい。
 もっといえば、本屋ではなくても、場所を提供したいというのが私のやりたいことである。

 そんな夢もあるのだが、まずは、一歩一歩、古書店となるべく前に進むことを考えていたところ、1月末に下北沢「BOOKSHOPTRAVELLER」に行く機会があり、ライターの和氣正幸さんと再会した。
 再会というのは、昨年9月に開催された「本屋入門SWITCH!」という一日講座に参加したときの講師が和氣さんだったためだ。
 そこで、こちらの書店で「棚貸し」をしているとの話を聞き、借りるのを即決した次第。

 「BOOKSHOPTRAVELLER」は、主に本屋にまつわる記事を書かれているライターの和氣正幸さんが営んでいらっしゃる本屋である。
 おしゃれな喫茶店の奥に隠れ家のように存在するが、妙に居心地感じで、おしゃれな空間に疎い私でもなじめそうな気がする。
 女性がひとりで来てもよさそうな雰囲気がある。

 さて、「棚貸し」を即決したもののどのような本を売るべきか?
 下北沢という立地も考えて、まずは私が本当に好きな本を並べて売れるかどうかというのをやってみようということにした。
 ということで、今回並べた本は下記のとおり。

『ひかりの引き出し』島尾伸三
『ドキュメンタリー映画の現場ー土本典昭フィルモグラフィから』シグロ』
『そこでゆっくりと死んで行きたい気持ちをそそる場所』松浦寿輝
『A3』森達也
『ドキュメンタリーは嘘をつく』森達也
『小津安二郎 僕はトオフ屋だからトオフしか作らない』小津安二郎
『広告批評別冊 淀川長治の遺言』
『美術手帖2017年8月号 特集荒木経惟』
『優柔不断術』赤瀬川原平
『これからの本屋』北田 博充
『忘れられる過去』荒川洋治
『カイエ1979年4月号 特集映画Ⅱ映像から文学へ』
『ユリイカ1980年6月号 特集映画の現在70年代のシネマシーン』
『ユリイカ1993年10月号 増頁特集キアロスタミ』
『ユリイカ1991年4月号 特集鈴木清順』
『ユリイカ1997年10月号 特集日本映画』
『ユリイカ2009年4月臨時増刊号 特集坂本龍一』
『ユリイカ1998年2月臨時増刊号 北野武/そしてあるいはビートたけし』
『映画長話』蓮實重彦・黒沢清・青山真治
『官能のプログラム・ピクチュアーロマン・ポルノ1971ー1982全映画』山根貞男(編)
『凡庸な芸術家の肖像(上・下)』蓮實重彦
『わがアンナ・カリーナ時代』山田宏一
『Coyote no.64 特集 森山大道』
『deja-vu no.5 南へ』
 
 下北沢という立地も考慮し、やや値段設定を高めにしたことが災いしてか、未だ一冊も売れていない。
 だがしかし、背表紙が訪れた人に何かを語り、わずかな記憶に残ってくれれば、並べた甲斐もあった。
 棚は毎月全部入れ替えることにしよう。
 次回はもう少し売れるものを並べたい。

あるふぁぶっくすの棚(2019年2月3日)
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